すっかりメジャーな『ふるさと納税』。
友人や同僚との間でも「今年は何にする?」なんて話題になることもあります。
とん様(筆者)も毎年納税し、返礼品を楽しんでいるものの、
実際に「何が」「どれだけ」「お得」なのか説明できない事に気づきました。
しっかりしろー
そこで早速、調べてみました!
詳しいことは正確なことも含め、総務省のふるさと納税ポータルサイトをご覧いただくのが一番かと思います。
が、正直難しい話も多いので、なるべくわかりやすいようにまとめてみました。
・ふるさと納税そのものをよく知らない未経験者
・毎年納税しているものの、実はしくみがよくわかっていない
ほぼ自分用のまとめなのですが、上記のような方は、是非参考にしてみてください。
更に、昨年(2023年)10月からの変更点についても解説、素人ながら個人的な意見・感想も加えてみました。
ふるさと納税とは
生まれ故郷を離れ、都市部へ人口が集中する事により、過疎化した自治体(故郷)を救う施策として2008年の5月に開始。
利用することで、住民税の控除や、所得税の還付を受けることができます。
毎年住民税のお知らせにヒェェってなってたけど、最近は控除額を確認するのが少し楽しい😅
ふるさと納税の仕組み
上記とも被りますが、応援したい自治体、好きな自治体に寄付を行う事により、その自治体から返礼品が貰え、且つ翌年の住民税が控除されるしくみです。
人によっては所得税の還付を受けることもできます。
ざっくり下記画像のようなイメージです。
近年では、毎年大きな災害が全国で頻発していますが、被災地へ寄付を行うことも勿論可能です。
尚、返礼品は一時所得にあたるとのこと。
自身が住民票を置いている自治体には寄付できないので要注意!
寄付金には上限がある
ふるさと納税額は、原則として二千円を差し引いた全額が、所得もしくは住民税から控除されますが、もちろん上限があります。
この上限を超えると、完全な自己負担となりますので要注意です。
お得なはずが、お得でなくなるのね!
次の項目でもあげますが、収入がゼロだったり、一定水準以下である場合も控除や還付を受けることができませんので、そもそも対象外となることがあります。
収入額以外にも、家族構成によっても上限が異なりますので、まずはしっかりと上限を調べましょう。
調べるにあたって参考になるシュミレーターは下記からどうぞ。
こちらのサイトがわかりやすかったです(さとふる)不要な人もいる
- 手元にお金がない(資金繰りが難しい)
- 住民税や所得税を支払っていない
- 収入(所得)が一定水準以下である
- 納税の年に退職予定である
そもそも『ふるさと納税』は、普段払っている税金の控除を受ける施策ですので
言わずもがな、住民税や所得税の納税対象でなければ意味がありません。
また、あくまで『寄付』ですので生活を切り詰めてまで行うべきではなく、余剰金を納税する感覚で行うのが良いと思われます。
『節税』と称されがちですが、あくまで翌年度の住民税を前払いしていることとなり、『節税』にはあたりません。
他の控除や税制優遇処置を受ける予定である(iDeCo含む)
iDeCo(個人型確定拠出年金)とふるさと納税の併用は可能ですが、iDeCoは掛金が所得税控除の対象となる為、iDeCoで減額した所得額より上限を割り出す必要が生じます。
よって、ふるさと納税の控除額上限が変わってきます。
医療費控除なども同様に控除額上限が変わる可能性がありますので、併用可能かどうか事前によくシュミレーションを行う必要があります。
面倒かもしれませんが、ご自身でよく調べてみられることをお勧めします。
しくみ詳細については、住宅ローン控除の例も記載されたこちらの説明ページがわかりやすかったです。
- そもそも寄付や返礼品に魅力を感じない
- 手続きを煩わしく感じる
ワンストップ特例制度にしろ確定申告にしろ、どうしてもある程度の作業は必要になります。
このような作業を行うくらいであれば、住民税だけ支払うというスタンスであったり、
返礼品そのものに魅力を感じないのであれば、無理して納税する必要もないかと思います。
価値観は人それぞれですので、ふるさと納税を行わないという選択肢も有りでしょう。
実際の流れ
流れとしては、上記仕組みの項と同じイメージになりますが、再掲。
実際に寄付をする際は、寄付先の各自治体のホームページに記載されているやり方で直接申し込む方法もありますが、正直面倒です。
ふるさと納税サイトなどを経由すると、通常のお買い物感覚で利用できるため、簡単に済みます。
但し、詐欺サイトも横行しているそうなので、楽天をはじめとした大手サイトなら安心です。
専門サイトは複数ありますので、ご自身の目的にあったサイトを選択いただければと思います。
注文時は必ず納税者の名前で行いましょう!
大手サイトでは注文時に必要な書類を選べたりします(詳細は利用予定のサイトの説明をご確認ください)。
引用元:楽天ふるさと納税
簡単に済ませるならワンストップ特例制度
特徴 ・確定申告が不要(ふるさと納税以外に確定申告または住民税の申告の必要がない場合)⇒給与所得者向け ・納付先が1年に5自治体以内であれば活用可能 ・控除対象は住民税のみ ・寄付の翌年1月10日必着での申請が必要 ・住宅ローン控除を利用する場合(初年度をのぞく)
所得税の還付も受けたいなら確定申告
特徴 ・元々確定申告の必要がある個人事業主や不動産収入を得ている方など向け ・納付先が一年間で6自治体以上 ・所得税と住民税の両方から控除(還付)可能 ・ふるさと納税の控除限度額を超えて寄付した場合 ・ワンストップ特例制度の申請期日に間に合わなかった場合 ・住宅ローン控除初年度や、医療費控除を受ける場合 ※併用に伴い上限を上回る可能性があるため要注意
返礼品以外のメリット
ふるさと納税には、返礼品以外にもメリットが存在します。
各種ポイントが溜まる
利用者の間では常識かもしれませんが、利用するクレジットカードのポイントを獲得することが可能です。
楽天経済圏利用者であれば、ポータルサイトとの併用で更なるポイント還元も期待できます。
好きな自治体に貢献できる
2021年の末に紅白歌合戦に出場したシンガーソングライターの藤井風さんや、実兄の藤井空さん(トランペット奏者)の出身地である岡山県里庄町にて、ふるさと納税の寄付額が1億円を突破したというニュースが印象的でしたね。
今年(2023年)には藤井空さんと岡山県里庄町が、町内のフランス料理店で行うというライブイベントを返礼品として連携して企画、9月に行われるとのことで、とても素敵ですね!(出典:山陽新聞デジタル)
返礼品の内容を元に寄付先を決めるケースが殆どかと思われますが、応援したい人の故郷を応援するというのも一つの選び方かと思われます。
寄付金の使われ方を知る・選べる自治体もある
自治体によっては用途をホームページに掲載している事もありますし、実際に注文する際に用途の選択が可能な自治体もあります。
引用元:楽天ふるさと納税
品物から選んだ場合には、せっかくですのでその自治体について調べてみても面白いかもしれません🌞
実際に旅行してみるのもいいですね。
実際に控除できているかどうかを調べる方法
還付ならわかりやすいですが、控除についてはわかりにくいですよね。
住民税が控除されているかどうかは、毎年6月に受け取る住民税のお知らせ(「住民税決定通知書」)で確認しましょう。
通知書はお勤め先で受け取るか、自営の方などは住民票のある自宅に郵送で送られてくるよ
筆者の自治体では概要欄に寄付金と記載されていましたが、わかりやすく「ふるさと納税」と記載されている自治体もあるそうです。
ご自身が納付した金額から2,000円を差し引いた金額が控除されていればOKです。
万が一控除されていない場合は、まずはご自身の手続に不備がなかったか確認の上、お住まいの自治体に問い合わせてみましょう。
2023年のふるさと納税は9月末までに実施するべきと噂される理由
2023年6月に総務省が示した方針により、ふるさと納税に関する制度が同年10月より改正されることになりました。
主な改正は下記2点。
募集適正基準の改正
募集に要する費用について、ワンストップ特例事務や寄附金受領証の発行などの付随費用も含めて寄附金額の5割以下とする
引用元:報道資料/総務省HP
返礼品の割合そのものは寄付金額の3割未満であることに変更はないものの、これまでルールに含まれていなかったワンストップ特例制度の事務費用や、寄付金受領証といった隠れ諸経費が寄付金の5割以下となるよう経費の基準が厳格化されたことにより、返礼品の質や量が低下・減少したり、取扱そのものが無くなる可能性が考えられます。仲介事業者の大打撃もあるのではないでしょうか。頑張ってほしいです。
地場産品基準の改正
加工品のうち熟成肉と精米について、原材料が当該地方団体と同一の都道府県内産であるものに限り、返礼品として認める
引用元:報道資料/総務省HP
熟成米と精米について、原材料がその都道府県内で生産されたものに限り返礼品に含まれることとなり、返礼品の主な割合を占めるグルメ関連の取扱品数が極端に減少する可能性が考えられます。
個人的に、我が家は少人数で冷蔵庫も小さいのでそこまで痛手に感じませんが、毎年のお肉を楽しみにしている方には残念な改正かも。
個人的な意見
ここからは、一人の一般市民としての一意見・感想です。
上記の改正についてネット上では「改悪」と叫ばれている記事をよく見かけますが、なんでもかんでも「改悪」と称してしまう風潮が私はあまり好きではありません。もちろん、それなりの専門的な目線でのお話でしょうし、意見は人それぞれですので一旦受け止めたいところではありますが。
実際に消費者目線となると、確かに改悪と呼びたくなる気もわかります。しかし、競争の激化、自治体による不公平感の是正を目的としている以上、大きな目でみたときに、改悪ととるか、改正ととるかは人それぞれになるのかもしれません。
見方にもよるもので、『地場産品基準の改正』については産地がより明確になるといったメリットも考えられます。
また、改正があればそこには必ず新しいビジネスモデルも生まれるでしょうから、事業者の皆様にも頑張っていただきたいと個人的には思います。
但し、目的の自治体、返礼品によっては九月末までの納税が噂通りに吉と出る場合も多々あるかと存じますので、よく見極めたいものです。
まとめ
最近は、若い人でも都市部から地方に移住する流れも増えているという話題も耳にします。
また、「ふるさとチョイス」により「ガバメントクラウドファンディング」という仕組みも生まれ、災害の被災自治体の復興支援事業を応援する動きも活性化しているようです。
複合的に日本全国各地が活性化していくのはとても良いことですね。
ふるさと納税は、その一端を担う重要かつ素晴らしい施策ではないでしょうか。
まずはご自身のライフスタイルや意思を吟味したうえで、無理のない範囲でふるさと納税を楽しんでいただければと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました😊
記事を書きながら、とん様自身も大変勉強になりました!